がんばれ放送部 9 編集機PCの選び方

2015年1月25日

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全国の放送部員のみなさま、こんばんは。よしです。さて今回は「編集用PCの選び方」をまとめてみようと思います。いくらいい取材ができても、編集環境が整っていなければいい番組はできません。高い買い物だから部費や予算とのせめぎあいになりますが、参考になれば嬉しいです。ちなみに、2015年1月現在の情報をまとめてみます。ではさっそくいってみましょう。


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まずはメインに使う編集ソフトを決定

まず編集用のPCを購入する前に、どんなソフトで番組を編集するかを決めておきましょう。というのも、ソフトごとに「必要システム構成」が決まっているため。必要システム構成とは、ソフトを動かすにあたって最低限必要なPCの性能になります。

ちなみにどの編集ソフトも基本的な作業の流れは同じ。扱い方も似ている。以下に代表的なソフトをいくつか挙げておきましょう。

Adobe – Premiere Pro CC

Windows版、Mac OS X版ともに販売されている。個人的には学生時代によく世話になったソフト。バージョンCCからはソフトとしての販売はせず、月額利用料を払う形式となった。割安なアカデミック版があり、無料の体験版がある。

grassvalley – EDIUS Pro 7

Windows専用ソフト。学生であればアカデミック版が安く手に入る。こちらも僕が学生の頃お世話になったソフト。無料の体験版がある。

Apple – Final Cut Pro

こちらはMac OS X専用のソフト。個人的にはExpressという廉価版がある時代に使っていた。7からProにメジャーアップデートしてから酷評が目立つが、使ってないのでわかりません。。

PCの基本構成を決めよう

Windows機を購入する際、市場には非常にたくさんのモデルがある。選ぶ際のポイントを以下にまとめる。
MacはAppleからしか買えないので、選択肢が少ないがスペックを考えるとMacPro以外に選びにくいのが現状。
どちらも排熱や拡張性、価格の問題から、ノートパソコンよりもデスクトップ型のほうがおすすめです。

量販店のPCを選ぶだけでは、快適に編集ができないことも

家電量販店でたくさん売られているようなPCは基本性能はそこそこに、たくさんのソフトやアクセサリをつけた商品が多い。一般用途だとそれでも便利に使えるのだが、映像編集には力不足なこともある。上で説明した、システム構成を満たすだけでなく、予算を許す限りスペックの高いものを選んだほうが編集中のストレスが少ない。

最近は多くのメーカーが提供している「BTO」でPCを購入するのがいい。BTOとはBuild to Orderの略で、自動車のように色々な部品を自分好みに注文し、カスタムで組み立てたものを納品してもらう買い方だ。
BTOで提供しているメーカーは、HPやDell、Apple、ドスパラ、マウスコンピュータ。…などたくさんある。そこでカスタムする際のポイントを簡単にまとめてみよう。
(商品のイメージを載せるために、Amazonから画像を引っ張っています。ご容赦ください。)

OS

Windowsなら7とか8とかメジャーなバージョンの数字と、32bit版か64bit版かの違いがあります。
最近は、編集ソフトがメモリをふんだんに使えるように64bit OS限定だったり、意外にも最新のOSに対応していないこともあるので注意を。

CPU

Intel Core i7シリーズがおすすめ。ラジオ番組ならi5でもいいかな。性能がレンダリングに必要な時間と反比例します。
基本的に購入時に決めたら買い換えるまでそのままなので、しっかり選ぼう。

メモリ

少なくとも8GB、、16GBくらいは欲しい。素材数・番組長が増えるほどにどんどん食いつぶします。
もし空きのソケットがあればPC購入後に自分で増設することも可能。

ハードディスク、SSD

取材量・制作する番組時間に応じて必要な容量が変わってくる。
個人的にはシステム用と編集用のドライブを分ける(2台搭載する)ことをすすめている。さらにカメラのテープレス化に伴い、取材データがPCにしかない状況が生まれてくる。万が一、ハードディスクが故障することを考えると取材・収録データのバックアップの必要性も気にした方がいい。
また、編集時は常に読み取りが行われるのでパフォーマンスも重要。回転数の早いハードディスクにするか、予算が許せば高速な読み書きができるSSDにしてもいい。

グラフィックボード

最近はGPGPUとかいう、CPUの処理の一部をグラフィックボードが肩代わりする機能があったり、動画の再生をハードウエア支援する機能が備わっている編集ソフトがある。こちらも予算に余裕があれば対応グラフィックカードを載せてもいい。高価なので、なくても(オンボードでも)いい。

光学ドライブ

最終的に番組を出力する際、ブルーレイやDVDビデオにしたい場合はそれぞれの書き込みに対応したドライブが必要。
また、BGMなどを音楽CDから音源を取り込むにも必要。

モニタ

編集ソフトは同時にたくさんのウインドウを並べて作業を行う。最近はそれほど高価でないので、なるべく解像度の高い・大きなサイズのモニタを使うことをおすすめする。モニタサイズが作業効率と比例するといっても過言ではない。

その他、カードリーダーなど

最近のビデオカメラはSDカードなどメモリに収録するものがほとんど。効率よく作業するためにもカードリーダーがあったりすると、カメラをPCに繋ぐ必要がないので便利。
また、自分に使いやすいマウスやタブレットなど地味だが効率をアップさせるアイテムもある。

必要に応じてオプションを集めよう

Windows、Mac問わず参考になる項目をまとめてみた。

オーディオインターフェース

番組にナレーションを付ける際に必要。オンボードのマイク端子にマイクを繋ぐのもありだが、音質がイマイチなことが多い。最近はUSB接続の手軽・手頃なものも多いので、定評なマイクと合わせて1つ持っておくといい。
電源が内蔵されていないコンデンサーマイクを使う場合、ファンタム電源(+48Vなどと表記)がかけられるものを選んでおこう。

IEEE1394インターフェース

ソニーで言う「i-link規格」がこれ。もしも取材や収録で使うカメラがDVやHDVなどminiDVやスタンダードDVテープを使うものなら取り込み・書き出し時に必須。
PCについていない場合、PCIカードやPCI Expressカードを購入してあとから付け足すことができる。

スピーカー・ヘッドホン

映像番組の場合、突貫工事になりやすいのが「音」。でも番組の大事な要素なのは言うまでもありません。
決して高価なものである必要はないので、スピーカーとヘッドホンは揃えておきましょう。

その他、キャプチャ・アウトプットボードなど

例えば「編集中の映像をリアルタイムにTVモニタで見たい」などを叶えるには別にハードウエアが必要になる。最近はBlackmagic Designのボードなど手軽に使えるUSB3.0接続のものも入るようになってきたので、予算にあわせて選ぶといい。

まとめ:ながーいケアで大切に使おう

一言に「編集用のPCを購入」といっても、いろいろなスペックや予算など気にするポイントは多いです。また、購入後もデータのバックアップやウイルス対策などケアが常に必要な機材になるのが難しいところになります。顧問の先生に任せっきりにならないようにしましょうなー。コンテスト前に限って調子が悪い!なんてことにならないよう、こだわりのスペックで組み上げ日頃からケアして使いましょう。
最も気を使う購入時、性能や価格は日進月歩で悩ませます。その時々のベストなパーツを組み合わせて一台を作りましょう。ではではー



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